2014年3月10日月曜日

 「きっと、上海でもジョブスのような男が生まれるはずだ!」:願望を持つことは大切だ

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レコードチャイナ 配信日時:2014年3月9日 23時5分
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上海自由貿易区から中国のジョブズは生まれるか?―中国メディア


●5日、中国の李克強首相は全人代第2回会議で政府活動報告を行った際、「中国上海自由貿易試験区」について2回言及した。写真は上海環球金融中心からの風景。

 2014年3月6日、新華社によると、中国の李克強(リー・カーチアン)首相は5日、第12期全国人民代表大会(全人代)第2回会議で政府活動報告を行った際、「中国上海自由貿易試験区」について2回言及した。
 この誕生から半年も経たない「新生児」が中国における改革の全面的な深化のよりどころとなっている。
 同区は中国の改革プロセスにどのような影響をもたらすだろうか。
 同区から「中国のスティーブ・ジョブズ」は生まれるだろうか。

 ある統計によると、昨年9月に同区が開業して以来、区内で毎日約100社の企業が誕生している。
 2013年版の同区の外資系企業投資参入特別管理措置「ネガティブリスト」が優れていたためでもあるが、同区に入居したマイクロソフトやシティバンクといった多国籍大手は、区内での各種制度の変革という新しいチャンスも高く評価する。

 さきに海外の起業家たちが同区で「モニター起業」に参加し、そう遠くない将来に同区で登録企業の仲間入りをする意志を示した。
 「外人さん」たちは、同区で身を起こし、大いに腕を振るおうとしている。

 自由貿易区のプラン設計に携わった全国政治協商会議の王新奎(ワン・シンクイ)委員は次のように解説する。
 自由貿易区の設立は中国の工商登記制度の改革プロセスと密接な関連がある。
 「1元で会社設立」というのは生動的な比喩だ。
 ここには自由貿易区の世界と軌を一にした投資の利便化の実現という発展状況が反映されている。
 区内の工商登録・登記の実施細則は世界の慣例にますます近づいている。

 昨年9月末時点で、同区は登録資本の登記について引受資本を登記する制度を実施すると他に先駆けて宣言。
 法律や行政法規に特別な規定がある場合を除き、一般的には企業の株主、発起人がその引き受けた出資額、出資方式、出資期限などについて自主的に約定を定め、企業の規定に記載するという方法を採るとした。
 これが俗に言う「1元で会社設立」で、理論的には資本金が1元でも会社を設立できるというものだ。

 王委員の分析によると、一連の先進国では「1元で会社設立」というのは抽象的な比喩であり、たとえばスティーブ・ジョブズ氏が友人達と出資し合って設立したアップル社でも、起業の段階で用地や労働力など一定のコストが投入されている。

 工商登録・登記に長らく従事してきたある専門家はさらに次のように説明する。
 仮に上海自由貿易区の中で「中国のジョブズ」が生み出されるとしよう。
 この「ジョブズ」が計画し起業する「アップル」のコストは極限まで切り下げられるものとし、「ジョブズ」は株主の出資比率に応じて約定を定め資本の引き受けを行い、理論的には集める資金には下限がない。
 最終的に自由貿易区で中小企業を開設する場合のコストは、
 関連企業の経営地点の賃貸価格によって決まるのであり、これ以外の資本はほとんど考えなくていいという。

 李総理の政府活動報告では、同区がもつ「複製可能、普及可能」という意義が強調された。
 実際、昨年に同区で登録資本の引受資本登録制度などの改革事業が試験的に行われた後、今年3月1日には国によって登録資本登記制度の改革が全面的に行われた。
 このたびの改革では起業法人の登録資本金の最低額、経営地点に関する制限、年度監査などの規定が全面的に撤廃され、市場主体の参入のハードルが大幅に引き下げられた。
 ここからわかることは、今や一般的な起業家は自由貿易区の内外で、以前よりずっと緩やかな投資環境に囲まれているということだ。

 「外国人が自由貿易区で起業する」という新しい概念に対し、同区は次のように説明する。
 法律や規則に合致した外国籍の個人は、自由貿易区内に有限責任公司を設立することができる。
 これはつまり、
★.中華人民共和国の各種の法律・法規を遵守し、
★.「中国(上海)自由貿易試験区管理規定」に基づき、
★.自由貿易区のネガティブリストに掲載されていない産業分野であれば、
★.外国籍の個人も企業の登録を申請できる
ということだ。

 全国政協の張小済(ジャン・シャオジー)委員(国務院発展研究センター研究員)によると、上海自由貿易区の建設と発展は歴史的な転換という意義をもつ大きな出来事であり、その設立は中国の未来の対外開放において新しい道や新しいモデルを模索する上での重要な方法になるという。

 多くの代表や委員が、遠くない将来、世界各国の「次のジョブズ」を目指す人たちが上海自由貿易区にやってきて、
 この地で「中国のジョブズ」が生まれると予測する。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)


 「この地で「中国のジョブズ」が生まれると予測する」人は誰もいない
 ジョブスみたいな気分やの男が、上海みたいな汚染地区にわざわざやってくるだろうか。
 ジョブスみたいなわがままな男が、報道規制のがんじがらめの上海にくるだろうか。
 常識的にみれば、ジョブスは上海では決して生まれない。
 そんなことは中国自身、百も承知である。
 でも願望を持つことは大切だ。
 「きっと、上海でもジョブスのような男が生まれるはずだ!」
 八方塞がりの中国にあって、そういう小さな明かりを灯すことも必要だ。
 暗がりの一本のロウソクがジョブスの比喩なのかもしれない。
 実際、国際資本が静かに中国から動きはじめている今、上海自由貿易区が果たしてどこまでその機能を果たすのであろうか。
 その動きを止めるための上海自由貿易区の設立であるが、どこまで有効に、つまり期待のどの程度の割合で機能するのであろうか。





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