2014年2月28日金曜日

日本の食文化:食べ物から愛国心を育てる日本人、テレビの話題で食文化は圧倒的な割合を占める

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レコードチャイナ 配信日時:2014年2月28日 8時3分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=84118&type=0

日本の食文化、食べ物から愛国心を育てる日本人―中国メディア


●26日、19世紀末に大量に出現した「日本人とは何か」、「日本人とはどういうものか」といった文化的アイデンティティや自我意識に関する核心的問題や観点が、日本思想史において長年盛んに議論されることになるテーマ「日本人論」を形成した。

 民族・文化的アイデンティティは、もともと18世紀前後に、国民国家が徐々に形成されつつあった欧州諸国で、
 政治的手段を使って打ち立てられた言語的共通性を契機とした共同体(公共圏)や、共同体におけるレトリックの循環を通して、
 「想像の共同体」としての国民国家の礎を築く過程で形成
されてきた。
 日本では、こうした国民国家の概念は「黒船来航」以降にようやく国内に入ってきた。
 19世紀末に大量に出現した
「日本人とは何か」、
「日本人とはどういうものか」
といった文化的アイデンティティや自我意識に関する核心的問題や観点が、日本思想史において長年盛んに議論されることになるテーマ「日本人論」を形成した。
 26日、北京晨報が伝えた。

 戦後の地政学の大きな変化と植民地解放運動は、欧州の領土に「境界線の曖昧化」といった18世紀以降最大の変質をもたらした。
 これには国家の境界線だけでなく、民族・文化的アイデンティティに対する新たな思考や立ち位置も含まれた。
 民族的言語に基づく文化的共同体は依然として強大な勢力を持っていたが、
 境界線を明確に定め、自己と他者の違いを強調したり、さらには自己優越論を掲げたりすることは、明らかに歓迎されない言論として捉えられた。

 日本語を理解し、政治学の常識がある在日外国人なら誰でも、日常生活の中で「日本人論」が出てくる頻度が驚くほど多いことに気付くだろう。
 例えば国外で働き、影響力を持っている日本人や海外で話題になった日本の技術や発明品について紹介するテレビ番組はよく放送されている。

 「日本人論」的な色合いを帯びたあらゆる話題の中で、民族性と最も密接な関連を持つのが日本の食文化の広告だ。
 日本のテレビ媒体が扱う話題の中で、食文化は圧倒的な割合を占めている。
 食べることにおいて、日本人はお米や故郷を思い浮かべる「国産」食品に対して格別な思いを抱いているほか、四季の移り変わりと季節料理に対するこだわりもまた一種の日本独特の現象だと見ている。

 このほか、日本の食品広告の中でいたるところに見られる現象として、本来は民族や国家とは全く関係がないはずの商品に、たびたび民族性の色合いが含まれていることが挙げられる。
 ある夏向け清涼飲料水はスポーツとはまったく関係ないにもかかわらず、商品名の上には、「日本は負けない」というキャッチコピーが記載されていた。
 同時期に別の飲料水メーカーが発売したオレンジジュースの広告コピーは、「日本の活力」だった。
 このような民族性と無理やり関連付けるやり方は、ソフトドリンクの広告のほかにも、舶来ものである西欧の洋酒でも行われている。
 ウィスキーの広告で、和室に和服を着て正座している旅館の女将の右側に、「どうぞごゆっくり」と書かれたコピーが印刷されている。
 このような伝統的な日本旅館や接客の仕方でも、すでに民族性は十二分に強調されているが、背景の小さな文字で綴られた、「この国の最高の幸せ」というコピーがより明確にそれを伝えていた。

 「日本人と日本の味」というネット上の伝言板では、日本の味覚に対し深い知識を持つ人が、「日本人の味覚の特徴」5種類について書き込みをしていた。
 「辛い」、「甘い」、「酸っぱい」、「苦い」のほかに、5つめの味覚として「旨味」を挙げている。
 味覚と食生活において、日本人の特殊性を強調する言論は大衆やマスコミなどで大いにもてはやされているものだ。
 テレビで放送されたうどんに関する番組では、あるゲストが、
 「その土地で生まれた穀類に対する味覚は日本人のDNAの中に深く刻み込まれている」
と語っていた。
 このような心の中の原風景が色濃く現われた観点のほかにも、科学的に思える説明もされていた。
 それによると、
 「国土が狭く、四方をすべて海に囲まれた日本では、比較的容易に新鮮な食物を食べることができた。
 しかし、中国や欧州の大多数の人は内陸に居住しているため、新鮮な食材を食べることができず、そのため油を使って、濃い目の味をつけて食べた」
のだという。

 ここから見て明らかなのは、日本の食品広告や食文化の話題の中では、
 食べ物を通して
①.各民族の特性や
②.文化的特徴、
③.国家アイデンティティ
の3つが有機的に結びついていることだ。
 それと同時に、日本の食文化の特殊性を強調することで、自我と他者および伝統と現代の二元対立をもたらしている。
 それは、
★.西洋化、グローバル化、機械化の冷たい現代と
★.日本の郷土的、ノスタルジックな過去
との二元対立でもある。
 おぼろげな母親の顔や体験したことがない幼年時代など、理想的な故郷を作り上げることで、ある種の現代性と相反する民族・文化的アイデンティティがここから形成されている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)







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